庭から見える風景
弥生プランニング担当
(以下 M)
「いなか暮らし」を始められたきっかけについて教えてください。
オーナー
(以下 O)
僕は、釣りが目的やけんね。極端に言うなら、別に田舎でなくてもよかった。都会であっても、釣りのポイントがあって、面白かったらそれもいいわけですし。 ただ、都会にいれば、釣りの趣味もお金と手間がかかります。
例えば釣り竿やリールにしても、5万6万はすぐ飛んでしまう。海に行くまでのガソリン代や何やらで、1回釣りに行くのにずいぶんかかるでしょう。ところが実際海に行ってみると漁師はリールで釣りよるかといえばそうではない。
それから、以前は都会でもせかせかしてなかったけど、今はありとあらゆることがカネ、カネで圧迫感があるようになってしまった。やっぱ身を粉にして働くというような。
そういうことから離れて、のんびりいきたいなあ、というのもあったね。
集約すると自分がしたいことができる、というのと日々のカネに追われなくていい、というのが、理由のような気がします。
M
その後、数ある物件のうち、この土地に決められたのはどんな理由からですか?
広い縁側から海が良く見える
O
海のそばというのは若い頃から考えていましたね。
また、常住を考えていませんでしたので、気まぐれで通えるような距離というのはありました。潮をみて『今日はいけるな』と思ったら、夜中でも思い立って通えるような。遠いと準備に時間がかかるでしょう。
この場所に決めるまでに、1年半くらい探しましたね。大分の方も含めて10件くらい。
全部海のそばでした。
ところがあんまりまとまった土地がないんですよ。周囲の住人を気にしない、広い場所を探してたのですが。 そしたら、ここはほんと目と鼻の先が海で、よその畑からも見えないという好条件でして、ここ、と即決したわけです。 もともと見て回るのも好きなんでしょうね。
先日も買う気もないのにわざわざ見に行ったりしましたよ。
そしたら、ここはほんと目と鼻の先が海で、よその畑からも見えないという好条件でして、ここ、と即決したわけです。 もともと見て回るのも好きなんでしょうね。
先日も買う気もないのにわざわざ見に行ったりしましたよ。
M
オーナーにとって「いなか暮らし」とは何だと思いますか?
O
今、この「いなか暮らし」というのがね、コトバだけ先行したようなかたちになっているでしょう。
憧れだけで始めてしまうと田舎には田舎のしきたりや風習があって、ままならないこともあって、憧れどおりには行かない部分もたくさんあると思います。
特に趣味をしっかり持ってないと楽しくないでしょうね。 例えば、野菜を植えたい、畑をしたいという気持ちがあるとするじゃないですか。
種を買って、肥料を与えて、一生懸命育てても、近くのスーパーでは100円で売ってあったりする。近所の人も同じ野菜を植えていると、欲しい、という人もいない。
そうなるともう趣味の世界です。
自分の趣味をきちんと持ってないまま、テレビ番組などにのせられて田舎にきても、おそらく長続きしないと思いますね。 それから、仕事はないと考えていた方がいいでしょうね。
地元の人も職を探しているような情勢に、外部からひょいと来た人間がすぐ見つけられるはずがありません。そこはふまえておかなければならない点だと思いますね。
M
確かに、仕事先というのはどうしても必要ですよね。田舎での生活の行き詰まりを感じられて、2、3月で帰ってしまわれるお客様も実際いらっしゃいますし。
今後、この家でしたいことがありますか。
O
来年か再来年には仕事を辞めてこっちで暮らし始めようかと考えています。
今は月の半分くらいをこっちで過ごしているんですが。 鶏も飼ってみたいですね。 ずっと先には畑を始めるかもしれません。
でも今はリフォームと釣りが先決ですかね。
囲炉裏(左) オーナ宅外見(上)
M
リフォームも、かなりされていますよね。初めてお引渡ししたときから、かなり印象が変わっていますが。
O
まだまだ手を入れなんところはたくさんありますよ。
あの、ふすまのところ、模様は何かわかりますか? あれはもう使わなくなった着物の帯を貼っているんです。
「これはいらんけん、捨てる」と言われているものを、何かに使えるかと思ってもらってきたんです。
他に自営をしている店から業務用のエアコンカバーを持ってきたりしていますね。廃棄処分になる前のすのことか、いろいろ持ってきて使いやすいようにしています。
また、自分で作るのも好きなんです。
あの高さのあるベッドも私が作ったんですよ。
今考えてみると、改装に関しては、最初に額を決めていたわけではないので、時間とお金がかなりかかっています。
ただ、買った以上は自分の物。自分がよいように作り変えるのがリフォームの最大の面白さです。
他人が不便とか何やかや言ってきても、結局住むのは自分です。仮にアンバランスだったとしても、自分がこれでいい、と思ってやれればそれでいいと思います。ダメだったら最初からやり直せばいいだけ。それも楽しいことですし。
手作りのふすま
これもオーナーが手作りで作ったランプ
M
いろんな工夫をされているんですね。
O
やっぱ、いなか暮らしっていうのは広い意味でのモノづくりに関心をもてるかってことだと思います。
リフォームでも料理でも、あるもので解決しなければならない部分が多くあります。都会では買えば済むことでも、田舎ではそういうわけにはいきません。
そういう意味で、田舎暮らしは『究極の自己満足』だと思います。
自分がしたいことを、少ない材料で実現していくという。
都会やお金といったせかせかしたものから離れて、自分の本当の人生を過ごす時間ですね。
から海へ直に下りれるオーナ手作り階段
M
先ほどお宅を拝見していたら、大きなキャンバスがありましたね。
あれをお描きになられたのも…。
O
はい、私です。それも趣味のひとつです。
絵も、大工作業の小屋もあるし、ここにいるとやることばっかり。「ひとりでいると寂しくないですか」って聞かれるけど、全然寂しくないですね。することがいっぱいあるから。意外に忙しいんですよ。
オーナーの描いた絵と大きいキャンバス
(左:オーナーが描いた) (右:大工作業用小屋内部 こだわりの工具がズラリ)
M
最後に、いなか暮らしをされて、思うことをお聞かせください。
O
ここにいると人間の健康、長生きということをよく考えます。
80、90歳になっても元気な高齢者の方がいらっしゃいますよね。この辺だって70〜80歳の漁師さんや、腰が曲がっても畑作業をする方を見かけます。
こういう人たちはやっぱりそういうことができるような生活をずっとしてきたからできるんだなあ、と。少しくらい遠くても歩いたり、身体を使って働いたりして。 われわれも含めて都会の人は文明の利器に頼って、ちょっとの距離でも車を使います。私たちが年寄ったら足腰は弱ってしまうでしょうね。
そんな状態で長生きするのはまちがいの元なのかもしれないと思うこともあります。 ここで、本来の生活になって、本当の長生き、健康になっていきたいですね。
M
お忙しく、楽しく暮らされている様子が目に浮かぶようでした。
これからも、リフォームやご趣味に精を出してください。
ありがとうございました。